私は入社以来、原材料を取扱っている工業資材営業部に所属しています。そして、中国の
原材料ビジネスを強化する方針が立てられたことで2011年に上海へ赴任しました。東海
理化クリエイトの国内事業と同様に樹脂材料や非鉄金属などを仕入れ、主に現地の日系
メーカーに販売する業務ですが、ローカル企業を含めた取引先の拡大もミッションのひと
つでした。また、副総経理(副社長)という立場でしたので、経費を抑えて効率的にする
ための業務見直しなど、総務人事の業務を含めて初めてづくしの経験をさせていただきま
した。日本人赴任者は社長と私だけで、あとは中国人の社員25名ほどと一緒に仕事をし
ていました。いかに人を動かし、仕事をしてもらうかという難しさも、中国で改めて知り
ました。
実は、私は自ら現地の社員に仕事を教えたいと考えていました。それまでも出張で
頻繁に上海へ足を運んでおり、そのたびに現地の社員に対しての教育や指導が必要
だと感じていたためです。私たちのビジネスは、やっぱり「人」に尽きるものだと
思います。モノを扱って取引をしている私たちの業務なのですが、モノよりも
「人」をアピールしないと取引が成立しません。会社もまた「人」の集まりに
よって社風ができあがっていくものだと私は思っているので…。上海勤務になっ
てからは、自分も現地の人に対してお手本を示せるよう、日本のビジネス、そし
て東海理化クリエイトのビジネスを理解してもらえるように努めました。
親会社の東海理化をはじめ、進出している日系メーカーが多いこともあってビジネスに
関する情報の収集や共有する機会に恵まれています。新たな仕入先の開拓については、
地道に自分の足で稼いだりするしかありません。おもしろいのは、困ったことが生じる
と他社の日本人がアシストしてくれたり、不思議な一体感が生まれますね。海外赴任者
は、みんな経験しているのではないでしょうか。個人的には海外で仕事をするように
なって、何かを判断したり決断する時間は早くなったような気がします。